「大谷幸夫先生を偲ぶ会」を開催いたしました

5 月 11 日 ( 土 ) に、当研究室二代目教授を務められた大谷幸夫先生を偲ぶ会が弥生講堂にて行われました。縁ある方々のたくさんの思い出話とともに最期のお別れを惜しみました。

ぽつぽつと小雨がぱらつく中、300 人を超える来場者が訪れ、各界の方々が生前の大谷先生との思い出や功績を語られました。京都国際会館や東大の法学部4 号館などの施設設計時の思い出話、大谷先生の設計に対する思いや、京都国際会館コンペで最優秀賞をとる以前の苦労なされた時代、ご家庭での意外な一面など、様々な側面から大谷先生自身のお人柄について、また同時にこの研究室の歴史の深さを知ることができました。長い時間培われてきた大谷先生をはじめ、歴代の研究室の方々の思いを受け継ぎ、これからも邁進したいと考えています。



西村 幸夫 教授 「大谷幸夫先生を偲ぶ会で思うこと」

偲ぶ会で 10 人を超す関係者が大谷先生の思い出を語ってくれましたが、そこにひとつ共通するものがあるとすると、それは「ひと」に対する想いの深さだと感じました。建築を通してメッセージを伝えようとする、誰のための建築かを真摯に考える姿勢は、私が個人的に接してきた大谷先生の姿と重なります。もうひとつ、これと関連して思い出すのは、「個即全」という言葉です。これは、大谷先生が責任編集をされた『都市住宅』1972 年 12 月号のタイトルですが、個の中に全宇宙が反映されているという考え方です。それはまた、たったひとつの建築プロジェクトを追究することのなかからも全世界とかかわることができるのだ、という先生がたどり着いた思想の表現でもあります。まわりがどんなに大風呂敷の中ではしゃいでいようとも、たったひとりでひとつのことを突き詰めることにも意味があるのだという先生がたどり着いた思想です。小さなプロジェクトであったとしても、その中で世界を理解することができる、したがって、目の前のプロジェクトに没頭することは意味のあることなのだ、という世界の理解の仕方です。これは別の見方をすると、ひとりの人間のなかにも全宇宙があるのだから、けっしてひとりの人を軽んじてはいけない、という教えにもつながります。これが偲ぶ会当日の多くの方のコメントの背後に連なる大谷先生の信条だと感じました。この想いを大切に胸に秘めていきたいと私自身も思います。

他大学から都市デザイン研究室を志望される方向けの研究室説明会を行いました。

6月6日(木)に都市工学専攻都市計画分野の大学院入試説明会終了後に他大学からの受験者に向けた研究室説明会を行いました。
内容についてご質問がありましたらM1瀬川(segawa[at]ud.t.u-tokyo.ac.jp)までメールにてご連絡ください。また、研究内容 やプロジェクト活動に関するご質問、研究室見学などのお問い合わせもM1瀬川かM2柏原(kashiwabara[at]ud.t.u- tokyo.ac.jp)までメールにてご連絡ください。
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