シンポジウム開催のお知らせ『変わる住まい、広がる暮らし』3月17日(月) 13:30-16:00

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社会連携講座「持続可能な二地域居住の創造」シンポジウム
「変わる住まい、広がる暮らし-二地域居住が描く新しい住宅像」開催のお知らせ

■日時:2025年3月17日(月)13:30~16:00
■開催場所:東京大学 HASEKO KUMA HALL東京都文京区本郷7丁目3-1)
■主催:東京大学大学院工学系研究科「持続可能な二地域居住の創造」社会連携講座
■定員:100名(事前予約制) 
■参加費:無料
■参加申し込み:以下の参加申し込みフォームより参加申し込みをお願いいたします。
https://forms.gle/RkQxPEk4vs8JpitQ9
■ポスターデータ
PDFデータ(1.6Mb)

<開催主旨>

コロナ禍による価値観の変化やテレワークの普及により、場所に縛られない働き方や暮らし方がこれまで以上に進展している。このような背景のもと、東京大学大学院工学系研究科と株式会社オープンハウスグループは、2022年秋に社会連携講座「持続可能な二地域居住の創造」を開設した。本講座では、人口減少、地方の縮退といった社会課題に対応し、都市部と地方の連携を通じた持続可能な二地域居住モデルの研究開発を目的としている。第一回目のシンポジウムでは、都市部の東京コンパクト住宅について議論した。今回のシンポジウムでは、二地域居住者の都市部や地方における具体的なライフスタイルや空間利用の事例を基に、都市と地方における「住まい」の再定義を試み、新たな住まいの可能性と課題などを多角的に議論する。

二地域居住者は、都市部に主な住まいを持ちながら、都市部と地方を定期的に往来する。その目的は多岐にわたり、地方のまちづくりへの貢献や地域社会の活性化に携わる人々もいれば、高齢の親の介護や家族の事情で地方に拠点を設ける場合もある。彼らにとっての暮らしは、都市部だけで完結するものではなく、また、地方における暮らしも単なるセカンドハウスに限定されず、その地域とのつながりを深め、地域社会の一員として生活する拠点となり、社会的なネットワークを構築する場ともなる。このようなライフスタイルを送る二地域居住者の特徴は、都市部に限定して暮らす人々と比較して、生活空間が地方へと拡張している点にある。彼らの生活は、都市部と地方という異なる地域間を行き来することで、空間的にも心理的にも多様な価値観や生活様式を受け入れる柔軟性を持つ。

この二地域居住の広がりに伴い、都市部の住宅は従来の居住モデルからの転換を迫られるのではないか。都市部から地方に生活拠点を広げた二地域居住者によって、都市部の住宅はこれまでのような「充足した機能を備える住まい」から、より「軽やかで柔軟な住まい」へと変化する可能性がある。例えば、滞在時間が短縮される都市部住宅では、居住空間の最小化が進み、シェアオフィスや共用スペースを内包する住宅が新たな選択肢として注目されるかもしれない。また、長期間不在となることが増えることで、住宅の所有から賃貸へのシフトや共同所有、短期貸し出しといった新たな運用形態が重要な役割を果たす可能性もある。

 このシンポジウムでは、二地域居住者を抽象的な人物像や一般論にとどめず、一人ひとりのライフスタイルのみならず、具体的な居住空間の活用に着目し、二地域居住がもたらす都市・地方居住への影響や変化をより深く理解することを目指す。そして、二地域居住の多面的な可能性を議論し、都市部と地方における住宅や街を再考し、都市部や地方における人々の住まいや暮らしの変容を考えていく。


<予定プログラム>

基調講演
・大月 敏雄(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 教授)

二地域居住実践者による活動報告
・実践者1: 和田 真寛
・実践者2: 辻 麻梨菜
・実践者3: 宇高 大造
・実践者4: 湯浅 健司

研究報告
・青木 公隆(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教)

パネルディスカッション
・大月 敏雄(前掲)
・和田 真寛
・辻 麻梨菜
・宇高 大造
・湯浅 健司
・青木 公隆(前掲)
・矢頭 肇(株式会社オープンハウス・ディベロップメント 建設事業部 部長)
・司会:中島 直人(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 教授)


<お問い合わせ先>

東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教 青木公隆
aoki[at]ud.t.u-tokyo.ac.jp


<このシンポジウムについて>

コロナ禍による価値観の変化やテレワークの普及により、場所にとらわれない働き方、暮らし方が今まで以上に進展しつつある中で、東京大学大学院工学系研究科と株式会社オープンハウスグループでは2022年秋に社会連携講座「持続可能な二地域居住の創造」を開設し、都市デザイン研究室からは中島直人教授・青木公隆特任助教・永野真義助教・三文字昌也特任研究員・金榮俊特任研究員がこれに参加しています。

本講座では、人口減少、ツーリズムの変化、地方縮退という社会課題に対し、都心と地方の連携による持続可能な二地域居住モデルの研究開発を目的としていますが、今回のシンポジウムでは、二地域居住の普及により、都市部や地方の住まい・暮らしがどのように変容していくのかを議論する場としたいと考えています。