みなさま、こんにちは。都市デザイン研究室博士1年の浜田です。当研究室カトマンズPJでこの9月に実施しましたカトマンズ盆地の現地集落調査に関してレポートさせていただきます。
▲調査初日、スタート地点のPyangaon集落に降り立つ
この度の調査では、前回の調査同様に、現在作成に取り組んでいるRC(現地ではRCC)ガイドラインの他の集落との位置付け及びその適応可能度合い、並びにカトマンズ盆地全体に広がるネワール集落の都市構造の特徴をつかみKhokana集落の位置付けを実施することを目標としています。
▲Khokana集落の町並み。少しずつ変化も見られます。 (撮影:森先生)
そこで、これまで深掘りして調査させていただいてきたKhokana集落を一旦離れ、カトマンズ盆地全域のネワール集落を1つ1つ訪れ、その地形・空間構成・都市構造及び近代化度合いを調査していきました。調査日程は2017年9月5日~12日、メンバーは森先生・M1永門・私浜田と、現地学生のSmita(スミータ)さん・Amir(アミール)さんの5名で実施しました。
▲最終日Thankot集落の寺前で撮った集合写真(左から浜田・Smitaさん・Amirさん・永門・森先生)
この度の調査では5日間に渡って以下の集落を訪問しました。
9月5日 Pyangaon / Bulu
9月6日 Chapagaon
9月7日 Thecho
9月8日 Sunaguthi / Taibo
9月9日 Bandegaon / Harisiddhi
9月10日 Tokha
9月11日 Kirtipur / Nagaon / Panga
9月12日 Satungal / Kisipidi / Balambu / Thankot
▲現地建物オーナーへのヒアリングの様子@Pyangaon
▲1975年に取られた写真と同じアングルを探す@Thankot
本調査では集落全体の空間構造を捉えるために、集落中心部の町並みの調査のみならず、寺院や池などの構成要素や、道や水路などのインフラの通し方、並びに縁辺部などの地形調査も同時に実施しました。
▲集落縁辺部の様子@Sunaguthi (撮影:森先生)
各集落における地形を読み解いた無駄のない土地利用と宗教・思想空間が重なり合うことで町並みと集落構造が構成されており、長い時間をかけ文化と空間が一体となって集落の生活が形作られてきたことを痛感しました。集落間を比較することで初めて見えてくる空間構成の違いや共通点がたくさんあり、また被災や近代化などの変化の度合いも集落ごとに違いが見られました。来る12月にも同様に他の集落調査を実施していき、理解を深めていく予定です。
▲Kirtipurの高台から望むカトマンズ盆地の眺望 (撮影:森先生)