秋の大祭2015〜酒蔵にて〜

秋の大祭の様子(その1)

10月9日(金)から11日(日)の3日間、今年も佐原秋の大祭が開催されました!

我々佐原プロジェクトではその2・3日目にあたる10日(土)と11日(日)に、『佐原未来ステップ〜暮らしの中の本物と担い手〜』というタイトルでパネル展示を行いました。

前年度使っていたさわらぼにめでたくお店としての借り手がつき、夏の大祭ではまちなかの活動拠点を失ってしまったためあまり収穫の得られる活動ができなかった反省を受け、今回は馬場本店酒造さんのご協力のもと、かつては機関蔵として使われ現在では試飲会などに活用されている蔵をお借りして展示を行いました。

江戸時代に建てられ、2012年に大規模な修復が加えられたこの蔵は立派な梁に思わず目がいってしまう素敵な空間です。

秋の大祭展示の様子(その1)

さて、今回の展示の主なトピックですが、江戸優りという言葉のある佐原のまちで、人々の暮らしの中で『本物』の精神や文化がどのようにして育まれてきたのか、そしてこれまでの佐原を支えてきた担い手やその構造とは何だったのか、担い手はどのようなステップを経て担い手となったのかといった点にスポットを当てました。

たとえばひとくちに佐原の担い手といっても、生まれてからずっと佐原で一生を過ごす人もいれば、佐原で生まれ育ったあと大学進学や就職を機に佐原を離れのちに戻ってくる人、佐原の周辺部で育ち佐原に通う人、全く別の場所で育ち結婚などを機に佐原に来た人などさまざまで、それぞれが違った目線を持っています。佐原で長い時間過ごしているからこそ分かることもあれば、一旦佐原を離れて外から客観的に見ることで初めて見えてくる佐原の良さというものもあります。そういったいろいろな担い手が存在する中で、今後の佐原をどういった形の未来につなげていくべきか。横宿通りなど特定の場所にも着目しつつ、そういったことを僭越ながら提案させていただきました。


秋の大祭展示の様子(その2)秋の大祭展示の様子(その3)スタディに使った昭和5年の佐原の俯瞰図も皆さん興味深そうに眺めておられました。

今回の大祭の会場がまさに馬場本店酒造さんのある新宿側のお祭りということもあって二日間とも大盛況で合計1,000人以上の方が訪れ、特に地元の方々とパネルや地図を見ながら熱く語り合うことができたのは非常に大きな収穫でした。

秋の大祭展示の様子(その4)

そして、この秋の大祭を最後に今川・李・滝澤の我々修士2年生3名は佐原プロジェクトを引退することになります。

最後ということで少しばかり個人的な話をさせていただきますが、自身4回目の大祭となる今回、自分の中で祭りを見ている時の心境の変化に気付きました。

初めて大祭を生で見て、ただただスケールの大きさに圧倒された去年の夏の大祭。

2回目となる去年の秋の大祭では、山車の種類の違いに新鮮味を覚えつつもなんとなく要領がつかめた感じがしました。

3回目となる今年の夏の大祭では以前ほどの新鮮な感動はなく、あぁ佐原の大祭やっぱりすごいよね、ぐらいの印象を受けながら調査を進めていました。

そして4回目の今回。どこからともなく聞こえる佐原囃子とともにあの山車がやってくるのを見て、ああ今年もまた祭りの季節がやってきたんだなぁ、という感慨に浸っている自分がいました。

もしかすると自分もまた、知らず知らずのうちに佐原の担い手のステップを一段一段上がっていたのかもしれません。

佐原M1,M2メンバー記念写真(D1の中野さんがあいにく不在でしたが)今年の佐原プロジェクトを支えてきたM1,M2メンバーで最後に撮った記念写真。我々M2はこれで少し中心から離れることになりますが、きっとこれからもM1の彼らと、そして佐原高校のSMPのメンバーたちがプロジェクトを前へ前へと進めていってくれることでしょう!さわらぼ第二弾もそろそろオープン間近です。

M2 滝澤