こんにちは、修士2年の瀬川です。オランダに留学して、早くも10ヶ月が経ちました。留学生活もそろそろ終盤です。そう考えると、なんだか寂しいものです。
9月から始まった冬学期の授業や、最近訪れた場所をご紹介します。
今学期はアーバニズムの授業を履修しています。現在は、今学期2つ目の設計課題に取り組んでいる最中です。対象敷地はロッテルダムの中心に流れるマース川の支流のロッテ川沿い一帯です。南はロッテルダム市街地の中心部から始まり、北に進むにつれて、中密度の住宅地へと変わり、最後に穏やかな低地部の住宅地へと繋がっていきます。
南の市街地中心部には、2013年にUrban Intervention Award Berlinを受賞したLuchtsingelという仮設の木造歩道橋があります。Luchtsingelはクラウドファンディングと市の資金提供で実現し、断絶されていた歩行者のアクセスを繋ぐために設置されました。目的もデザインも魅力的なプロジェクトですが、実際には観光客の利用が多く、地元住民の使用頻度は低いという問題もあるそうです。
▲Luchtsingel 左右の木板に掘られているのは、企業の広告や、個人の名前・メッセージ
課題をする際にいつも驚いているのは、オランダのオープンソースの豊かさです。たとえば、Waag Societyというサイトでは国内の建物の建設年と床面積が一つ一つ分かり、Actueel Hoogtebestand Nederlandではオランダ全土の標高がピンポイントで分かるという、なんとも便利なオープンソースが、これら以外にもたくさん揃っています。(私がただ日本のオープンソースをあまり知らずにいるだけかもしれませんが……。)オランダ語を喋ることができない、私のような留学生でも、非常に使い勝手がよく、いつも頼りにしています。
また先々月、ドイツの廃工場・廃炭鉱を公園へと転用した、Duisburgにある市民公園LandschaftsparkとEssenにある世界遺産Zeche Zollvereinの2カ所を訪れました。ランドスケープや建築のデザインで過去の記憶と新たな用途を見事に融合させていたことが印象的でした。
▲Landschaftspark 廃工場の施設にのぼることもできる、市民に身近な公園
▲Zeche Zollverein 内部に入ることはできないが、観光客のための案内板・ルートが充実
帰国して久々に日本の文化を味わえることを楽しみにしつつ、残りの日々を楽しみたいと思います。