夏も終わり、ついに秋にさしかかってきましたが、20世紀都市遺産プロジェクトでは夏休み期間を利用し、現地調査に行ってきました!
今回の調査では、これまでのリサーチで検討していた都市の中からいくつかの都市を抽出し、それぞれの都市の市史や事業市、DIDの変遷などを押さえながら、現地に行き市街地の現況を見る、ということを行いました。対象都市が多いため、メンバー間で分担しながら全国のいくつかの都市の調査に行っています。
自分の調査対象となった都市は九州北部の長崎市、北九州市小倉北区、大分市の三つ。台風が心配されましたが、九月の下旬に長崎から入り、小倉、大分の順で、無事に回ることができました。ここではその中から、大分市の様子を簡単に紹介したいと思います。
●大分市
大分市の市街化の過程を見たとき、重要な出来事と言えば戦後の臨海部の工業化と新産業都市指定が一つには挙げられます。大分市の調査では、工業化による人口増がどのように受け止められたのか、という視点から、市街地から4地点ほどを抜き出しそれぞれの現況を見に行きました。
城南団地
大分市における住宅団地の先駆け。工業化による人口増を見越して先行的に開発されたようだ。宅地の分譲も行い約1200戸程の団地となる。この団地自体は開発されて40年以上経つが、すぐ近くには近年開発されたと見られる新しい住宅地も見られた。
大分駅北側
近世の城下町であった地域。復興区画整理が行われており、駅前から南北に延びる道路と、それに対し東西に道路が直行し地域を4つに分けている。写真はその道路から一本入った商店街。右には辰野金吾の建築も(国登録有形文化財の大分銀行赤レンガ館)。
臨海工業地帯とその後背地の境界部分
写真右が工業地帯で左が後背地。後背地側には運動公園も配置され、住宅地との分離を図っているよう。
個人的には、これまで観光目的以外であまり地方都市をじっくり見たことがなかったこと、また事前に歴史や地図を読み込んでいたこともあり、普段とは違った目でまちをみることができ、非常に得るものが多い調査でした。
これから調査結果をまとめることになりますが、次の動きにつなげられるようなものにできればと考えています。(M1渋谷)