こんにちは!まちづくり研B4の菊地と東大建築三谷研M1の松戸です。
10/30(土)-10/31(日)に、テガヌマウィークエンドVOL.4「ヌマベケーション」を開催しました。
今回はこのウィークエンドで行った、ヌマベ活用社会実験の内容や様子を紹介します!
昨年のテガヌマウィークエンドVOL.3「ヌマベクラブ」では、ヌマベをフィールドに活動されている「ヌマベの使い手たち」10団体による、19の多彩なプログラムを開催しました。
そして、多彩なヌマベの利用を通して浮かび上がった課題が、「手賀沼の水上・対岸とフィッシングセンターが、橋詰空間で分断されてしまっている」というものでした。
この橋詰空間は、実質的に駐車場として利用されてしまっており、人の往来が橋詰空間で途切れてしまいます。
そのために、昨年のウィークエンドではプログラムの一体感が生まれなかったと考えました。
そこで今年は、「手賀沼の水面・水上からフィッシングセンターまでを繋ぐ」「手賀川の両端を繋ぐ」ことを目指し、橋詰空間を「サンセットパーク」としてプレイスメイキングを実践しました。
<普段の橋詰の様子>
<上から見た様子>
プレイスメイキングにあたり、今回制作したファニチャーをいくつか紹介します!
「ガードすわレール」
この橋詰空間では、車の落下防止のためのガードレールが一番手賀沼に近い部分に設置されています。
ヌマとの往来を妨げるこのガードレールにファニチャを寄生させることで、その価値をプラスに転換しようと「ガードすわレール」を作成しました!
「マルチいす」
おしゃれで手軽に作れ、そして普段から使われる椅子として今回考案したのが、この「マルチいす」です。
保育園などでよく使われる「変化いす」をアレンジしたこの椅子は、家族連れの多いこの場所に合わせて、小さい子供から大人までちょうどいい高さで座れるよう、また椅子としてだけでなく台や棚としても使えるような工夫を施しました。
「背もたれ」
ウッドデッキをさらに居心地のいいものにしようと作成しました。
すのこのように隙間が空いているため、背もたれとして寄りかかるだけでなく様々な展示の固定にも使うことができます。
「パレットファニチャー」
樹木のない平坦な橋詰空間に高さをつけることで空間を作っていこうと、パークレットのファニチャーをもとに設置されたパレットファニチャーは、様々な展示の場としても活用されました。
使用後は隣接するキャンプサイトで燃料となり、木質循環に組み込まれるエコなファニチャーです。
また、サンセットパークと呼んでいるこの橋詰空間は、自動車、自転車、人といった動線が交錯する交通動線の問題も発生していました。
そこで、①滞留空間と自転車動線を分ける、②自動車と歩行者の関係性をリデザインする
の二点を意識したデザインも同時に行いました。
①では、フィッシングセンターにあるサイクルラックやカヌーを用いた柵を設置し、分離を図りました。
特にカヌー柵は、パネル展示の台にもなったほか、通りかかって関心を示す人も多く、ヌマベでの活動のアピールにもつながったと考えています。
また、特に自転車に乗る方から多くの「いいね!」とのお声をいただきました!
②では、横断注意の旗で運転者に注意を促し、路面テープで横断箇所と道路の境界を明確にしたうえで、パイロンによって横断部の狭窄を行いました。
このようなファニチャーの設置により、歩行者が一方的に自動車を気にするだけだった横断部で、運転者と歩行者の見合いが生まれていました。
その結果として、普段よりも人の往来が多いにも関わらず、横断部を見ていて危険を感じる機会がかなり少なかったように思います。
そして、今回のウィークエンドで初お披露目を果たしたのが「ヌマベキャラバン」です。現在フィッシングセンターを拠点として行われているヌマベの活動ですが、手賀沼にはもっと多くの環境があり、人がいて、楽しみ方も多様なはずです。「もっといろんな場所で活動してみたい!」そんな声から、トラックにヌマベを楽しむキットを積み込んで、移動しながら拠点を広げていく「ヌマベキャラバン」が誕生しました。
製作にあたりポイントになったのが「少人数でも女性でも簡単に組立・設置ができる」こと。そして、今回運搬に使うトラックはレンタカーのため「車体に傷をつけず固定できる」こと。また、保管場所が確保できないという現状から「保管時に困らないように容易に分解できること」が求められました。パイプとジョイントによって組み立てられているため、上のキャリア部、シェルフ部と2つのパーツに分解できます。イベント時以外にはそれぞれ本棚と展示ボックスとして、フィッシングセンター周辺で利用していく予定です。
以前からヌマラボに設置しているスツールを裏返すことで収納ボックスとして活用したり、ボックスの出し入れをスムーズにする引き出しがテーブルになったり…というように、小さな工夫としてカスタマイズの余地を残すことで、今後も使い手のニーズに応えていけたらと思っています。
テガヌマウィークエンドVOL.4「ヌマベケーション」。そのタイトルには「グッドロケーションでバケーションを楽しもう」という思いを込めて、ヌマベクラブのみなさんと協力して企画・準備を進めてきました。
これから今回の社会実験の効果を検証して、ヌマベやヌマベクラブの未来に繋げていきたいと思います。
ぜひまた来年のテガヌマウィークエンドでお会いしましょう。