こんにちは。M1の河崎です。
宇治プロジェクトでは9月16日に研究室にて、今年度の中宇治のまちづくりグランドデザインの骨格作成に向けたリサーチ共有と今後の方針決めを行いました。
宇治プロジェクトについては、先月発行された「都市デザイン研究室マガジン8月号」に特集しておりますのでそちらもぜひご覧ください。
http://ud.t.u-tokyo.ac.jp/ja/blog/2020/08/296.php
▲オフラインだからこそ模型を見ながらフィジカルな議論が可能
今年度前半に行っていた宇治茶をベースとした中宇治のリサーチを踏まえ、より中宇治の解像度を高めるためにも、地形の成り立ちや建物用途、空地の分布、人口統計やマスタープランなどの行政情報など、いわゆる都市工学的なリサーチをプロジェクトメンバー内で分担し、まずそれらの共有から始めました。
▲住宅地図をベースに建物用途を塗り分け。地と図を反転させると、駐車場などの空地の分布もよく分かる。
そこで先月のフィールドワークで中宇治を歩いた時にも身をもって感じた地形や水系や中宇治特有の「スカスカ感」から、中宇治における新しい住環境モデルやビジョンを描くことができないかという議論になりました。
中宇治の地形は複数の小河川とそれが形成した扇状地の重なりであり、中宇治は古来から庭園や茶業、繊維工場とその伏流水とそのネットワークを巧みに使いながら変容してきた町です。
現状中宇治は空洞化が進んでいますが、そうしたある意味「表面化しない水系の使い方」のようなものに着目した時に、既存の水のネットワークだけでなく現在進行形で発生している空地を利用しながら、中宇治においてどのような「新しい暮らし」「新しい住環境」を提案できるのか、というのは非常に面白いのではないかと考えています。
▲作成した中宇治の地形模型
ここまでかなりリサーチベースでの議論を進めていたので、次の段階ではそれらのリサーチをもとにまずビジョンを考え、それをもとにまたリサーチを含めていく・・・というようなリサーチとビジョン構想の往復を繰り返しながら、また現地の方とのワークショップを通じて意見をいただきながら、今年度末を見据えてまちづくりグランドデザインの骨格作成に向かいたいと考えています。
今年度末のまちづくりグランドデザインの骨格作成に向けてリサーチの共有と今後の作業方針を議論しました。今年度初の研究室でのミーティングということで作成した地形模型も使いながら有意義な議論ができました。