こんにちは、M1の山口です。
6月15日、東大本郷キャンパスにて「人口減少都市シンポジウム2018」が開催されました。簡単にですが、その内容をレポートします!
▲左から、黒瀬准教授、高さん、尹准教授、Ryan准教授、村山准教授。尹准教授の後ろには矢吹特任研究員です。
まずはコーディネーターの一人である矢吹特任研究員より、本シンポジウムの趣旨と次の基調講演で対象となるアメリカの人口減少都市の一つであるデトロイトの現状について発表していただきました。
次に続く基調講演は、マサチューセッツ工科大学で人口減少都市の都市デザインの在り方について研究されているBrent D. Ryan准教授から、今までのニューアーバニズムやランドスケープアーバニズムに代わる、新たな都市デザイン手法である、『パッチワーク・アーバニズム(Patchwork urbanism)』の概念を紹介いただきました。人口減少下での非成長都市では非画一的・同時多発的に空き家や空地、または活動が発生していく中で、従来のような都市計画は難しくなっているように感じます。パッチワーク・アーバニズムは、都市を街区単位でパッチワークの様に計画に組み込んでいくという概念となっています。
▲豊富な図面とともに説明してくださり、概念だけに留まらないリアリティを感じました
基調講演の次は、アジア各国からのゲストによるプレゼンです。中国と韓国からは各国内の縮退都市の現状と、日本からは縮退都市の都市デザインに関して講演を頂きました。中国、韓国共に日本よりも遅れて人口減少時代に突入することなどから、まだ社会の空気が人口減少を受け入れきれていないことや、政策や開発方針の違いなど、普段日本にいると分からないような話を聞くことができました。
▲韓国では行政主導の都市開発が都市に大きな影響を与えているようです
▲日本ですすめられている人口減少下における都市デザイン、コンパクトシティ+ネットワークです
Ryan先生の資料では、各建物の壁面まで分かるスケール感での図面がほとんどでしたが、今回講演して頂いた日中韓の都市計画では市や地域単位でのスケールが計画の中心となっていました。このスケールの違う中で、パッチワーク・アーバニズム理論をいかに日本やアジアの各国に応用していくのか、個人的には非常に興味深いものとなりました。
人口減少都市は非常に難しい問題ですが、この専攻に在籍している以上、避けては通れない課題であり、これからより精進したいと強く感じたシンポジウムでした。