アーバンデザインセンター坂井(UDCS)の拠点が完成!@三国

こんにちは、

三国プロジェクト修士2年の神谷です。

先日3月24日に、

みくに市民センターにてアーバンデザインセンター坂井(UDCS)竣工記念フォーラムと、

その後、拠点となる建物の完成式が行われました。

DSC06355mini.JPG▲アーバンデザインセンター坂井(UDCS)の前で記念撮影

 

 フォーラムでは、UDCSセンター長である西村幸夫教授から挨拶ののち、まず初めに、三国プロジェクト修士1年による、平成29年度研究成果報告の発表が行われました。内容は、8月に調査を行なった、三国の不動産継承に関するものです。

 これまで、身内や知り合いの伝で行われてきた("ウチマワシ"と定義)不動産継承が難しくなってきていることを述べるとともに、その解決策の提案を行いました。

DSC06282mini.JPGDSC06278mini.JPG

 その後、副センター長の中島伸先生から「アーバンデザインセンターによるまちづくりが目指すもの」と題して記念講演が行われ、柏にあるアーバンデザインセンター第一号、UDCKの事例を交えながら、「アーバンデザインセンターとは何なのか」、「UDCSの設立理念と今後の方針とは」について説明がありました。

 やっと建物という形のみが完成したUDCSの認知度はまだまだ低いらしく、多くの聴講者がふむふむと頷く姿が見受けられました。

 組織として具体的に何を進めていくかはまだ決まっていないUDCSですが、立ち上げ時の主体の数は他所のUDCよりも多いそうです。今後、他業種が協働して三国のまちが動いていくことが期待されます。

DSC06292mini.JPG▲発表する中島伸UDCS副センター長

 最後のパネルディスカッションでは、西村幸夫UDCSセンター長コーディネートの元、

中島伸副センター長、福井県立大学の江川先生、民間企業を代表としてリコージャパン福井支社長・片岡さん、いつも我々がお世話になっている三国會所より大和さん、住民の立場としては地元作家の作品販売店・三本日和店主の畠山さん、及び三国自治単位の1つである二の部地区区長会長・倉橋さんの6人が議論しました。

 三国は建物だけではなく、人材も知り合いコミュニティ内で融通し合って、今まで地域を上手く動かしてきたのではないか、という仮説や、雪の日に引っ越してきた移住者の雪かきを区で協力して行った話、三国のウチとソトを繋いでいく人材が必要になるのではないか、といった、人の繋がりにまつわる議論が展開しました。

 加えて、三国のまちの将来を考えていく上で、拠点となるはずの、しかしまだ知名度の低いUDCSのことをどう共有していくか、また、三国のまちに加えて、そのUDCSという拠点自体にもどう愛着を持ってもらうかという課題が出されました。

 一方でパネリスト唯一の女性の畠山さんは、母親目線から、子供がいる世帯が一番将来に対するリアリティを持っているとして、子育てで忙しいかもしれないが、そういった人たちとどうにか協力して、意見を聞いていけないか、といったことを挙げていました。

DSC06306mini.JPG▲西村先生(左)とパネリストの皆さん(右)

 さて、フォーラム後は、場所を移して、UDCSの施設完成式が行われました。

 北前通り沿い、半ば崩れそうになっていた雲乃居の建物を改修した拠点です。

DSC06310mini.JPG

▲向かって建物左側は、通り側表面を割と古いまま残しています
DSC06314mini.JPG▲右側は大幅に新しくなっています。庭部分に椅子を並べて完成式典。

 建物の中も大幅に手が加えられ、一階の座敷からは見事に九頭竜川まで見通せて大変気持ちがいいです。また、道が少し折れ曲がった場所に建っているため、二階の窓は北前通りの延長線上となり、こちらも大変見通しがいいです。三国祭の際にはまちを巡って三国神社へ帰る「戻り山車」が正面から見事に見えることでしょう。今から楽しみです。

 場所が出来上がったばかりのUDCSですが、これから色々なことが進んでいきそうです。

DSC06350mini.JPG▲北前通りの奥まで見通せる二階。色々楽しく使いたい。

DSC06336mini.JPG▲お酒は、この建物の名前になぞらえています。

*************************

 最後に。

 今回の訪問でも、毎度同じく「三国湊町家館」の奥の座敷(普段は公民館貸しスペース的に使われている)に泊まらせていただいたのですが、5月20日の三国祭に向けて、山車番の区の子供達の、お囃子の練習が始まったようです。日が暮れるとわらわら子供達がやってきました。

 話を聞くと、これから祭の日まで週二回、練習があるとのこと。

「大変だね」

「でも楽しいよ!」

 間髪入れずに満面の笑顔で返事が返ってきました。

 川越に住んでいた時、クラスの子数人が山車に乗り、川越祭でお囃子をやるというのをすごく羨ましく思った小学生の頃を、ふと思い出しました。「川越」に住んでいて、しかも同じ小学校区の中でも祭に参加できる地区はわずかだった気がします。

 大きな祭が現在まで残っている地域は限られていて、そしてその中でも祭に参加できる人は更に限られていて。祭をできる、祭に参加できるということは本当に貴重なことであると改めて感じます。

 お囃子練習に来ていた子達に訊かれて、私が「24歳だよ」と言った時に、小学校低学年くらいの彼らに「若いね!」と言われるぐらい、20代の人間が少ないであろう三国ですが、将来に渡って、小さな世代が「楽しい!」と言ってくれるような祭とまちと、それを支える人の繋がりが続いていって欲しいと思います。

 とりあえず、今年の三国祭が楽しみです。

DSC04809mini.JPG▲山車に乗って太鼓をたたくのは子供達の役目(2016-05-20)