第3回・『上野スクエア構想』検討委員会

こんにちは、M1中戸です。

11/8に行われた、上野プロジェクト・上野スクエア委員会の様子を報告いたします。

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▲秋の夕の不忍池。蓮の季節も終わりを迎える

前回の記事は8/3の委員会について書きましたが、実はこの8月の委員会は2回目でした。1回目は5月に行っていて、この時は書くタイミングを逃してしまったのでした。
なので、記事としては2本目ですが、委員会は今回の11月で3回目となります。

このプロジェクトの目的は前回も書いた通り、上野・御徒町・湯島といったエリアの“文化資源”を見つけ出し、よりよくしていこうというものであり、その中でも特に不忍池という資源に着目しています。

今回は前回までの議論をより強化して、『不忍池文化圏構想』というものを提案してみました。

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▲『構想』の広域的なダイアグラム

この構想は、僕たちが作った資料から引用すると…

「上野や湯島、御徒町などが広がるこのエリアには、複層的な歴史を背景に持ち “文化資源” と呼ぶべき対象が数多く存在する。
しかしそれらが互いに繋がっているというイメージが持たれることはなく、 幅員の広い車道や客引きの多い界隈の存在により分断され、点在するがままにまかされている。
上野スクエア構想は、昔から庶民に親しまれてきた地域最大の “文化資源” である「不忍池」を中心に据え直すことで、各地に散らばる文化をリンクさせ、またその繋がり自体が “文化資源” となっていくような、そんな新しい地域の捉え方・フレームを提案する。」

…ということになります。

この構想を軸にして、しばらくは上野PJが進んでいくことになりそうです。


さて、今回の委員会で具体的に何をしたかといえば、一つが上野不忍池のアクティビティ調査、もう一つが上記の構想を具現化するための詳細な設計提案です。

アクティビティ調査は、今まで不忍池について議論するときに主観的な見方に頼っていた部分があったことを踏まえて、実際にどのように使われているのかということを客観的にデータで捉え直そうという意図のもとに行われました。調査方法は3つ、「出入り口調査」「滞留行動調査」「ルート調査」です。それぞれ、「どれくらいの人が利用していて」・「彼らは池で何をしていて」・「どのようなルートで通り抜けていくのか」を調べるものでした。

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▲滞留行動調査は360°撮影できる全天球カメラで撮影しながら行った

調査を行ったのは10月の平日・休日の二日間。まだ少し汗ばむ、けれど過ごしやすい気温の頃で、数多くの人が不忍池を訪れていました。皆で分担してひたすら池廻りを歩いたり(あとで確認したら3万歩近くも歩いていました)、人の数をカウントしたり、かなり大変な調査でしたが、有意義なデータが取れました。現在もデータの細かな分析作業をしているところです。


詳細設計では、不忍池を文化資源の中心として位置付け、各地に点在する資源を結びつける場にするにはどうすればいいのか、それを具体的に空間にした時の形の一例を提示するためのものでした。

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▲作成した模型たち。簡単ではあるけれど、言いたいことが伝えられるものになったと思う

どれも人を集め、各地にまた人の流れを誘導するようなシステムを意識して作られています。設計は、調査で明らかになったこと(現状どこに人が集まりどこには集まらないか、特徴的な来訪者の行動はどんなものか…など)が活かされていて、ある程度提案の強度を補強することができたのではないかと思います。



そして、当日発表。今までは発表資料の作成は学生メインで、発表は永野助教という分担でしたが、今回3回目からは発表も学生が行うことになりました。

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▲学生発表のようす。ちょっと緊張気味

今回の発表は僕とM1新妻(地域デザイン研究室)の二人で行いました。居並ぶ委員とオブザーバの前でのプレゼンはさすがに少し緊張しましたが、なんとか無事に終わりました。

発表の後は恒例のワークショップ。今回も各テーブルで僕たちの作成した資料をたたき台に、厳しい意見も含め様々な意見が飛び交いました。


この議論・WSをまた活かして、次につなげていきたいと思います。



今後は、まず11/27に上野スクエア構想が所属する東京文化資源会議の活動報告会があります。
その次は年末年始にまちあるきやヒアリング、そして1月の第4回の委員会に向けた準備、年度末には最終報告書の作成など、やることはたくさんあります。
また、次年度のプロジェクトをどうやって進めていくかなど、今後の方向性も議論していきたいと思っています。

上野の記事はまた次の委員会の時に更新する予定です。お楽しみに!