こんにちは。M2の黒本です。
先日の「蔵リノベーションワークショップ」に引き続き、小浜市で参加させていただいたイベントについて報告します。
5月2日、オープンしたての「まちの駅」の傍に復元された旧芝居小屋の旭座で、シンポジウムイベント「人と人をつなぐ文化財 旭座からの観光まちづくり」が開催されました。
西村先生による講演「歴史文化基本構想から日本遺産へ -小浜がめざすべきもの-」、高嶋猛先生による解説「芝居小屋旭座の構造を知ろう!」そして旭座で弁当とお酒を囲みながら旭座の未来を語り合う「まちづくり 夜なべ談義」に参加しました。
▲今年5月にグランドオープン、まちの駅と旭座
西村先生による講演会は、蔵リノベーションのため途中からの参加になってしまいましたが、「先生から見た小浜の集落のもつ魅力」「全国の日本遺産の動向」といった内容が話されました。小浜の「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群」が日本遺産の第1号に選定されたことを受けての講演会でした。
▲先生の気に入った小浜の風景を紹介
続いて高嶋先生の解説により、旭座の復元方法や構造を学びました。古写真やヒアリングをもとに設計した苦労を学ぶことができ、一口に伝統的建築物の復元といっても、新築以上のお金や手間をかけてなされるのだと学ぶことができました。
夜なべ談義では、旭座復元の関係者や、地元の関心のある方々が集まっての会食となりました。3つのテーブルに分かれ、旭座弁当を食べながら、旭座をいかに使っていくか、といった話で盛り上がりました。私の班では、発表の場所として使いたいという劇団の方や、名産の鯖によるまちづくりを推進しようとする市役所職員、旧旭座の近くに住んでいたという方々が集まりました。原位置で復元するのか、移築するのかで議論になったという裏話も知ることができました。
会の最後には、各グループで話し合ったことを共有しました。私の班からは、せっかく税金をかけて復元したのだから、周辺のイベントと絡めたり、子供の発表会、映画上映会などで積極的に使いながら、使用料をしっかりと得て持続的に愛される施設にしていこう、という発表がなされました。
▲なんと文化財の旭座で飲み会、大盛況
▲最後は西村先生による締めの言葉
夜なべ談義の後も、居酒屋に移動して西村先生や地元の方も集まり、文字通りの「夜なべ談義」となりました。ここで、小浜のまちづくりの歴史、伝建地区に指定される経緯などについて知ることができました。伝建地区に反対する住民が多いなか、一人一人粘り強く説得しながら誤解を解いていった重鎮の方のお話や、旭座・まちの駅のオープンに尽力し、今日人生で一番美味い酒が飲めた、という市役所職員のお話が印象に残りました。
このように、旭座関連イベントを経て、初めて小浜を訪れて2日目とは思えないほど、地元の方々と多く語り、多くを考える小浜滞在となりました。地元を愛し、本気で考える人に触れながら、外の人間にとってできることは何なのであろうか、と改めて問い直す機会になりました。