神田の街と縁台

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▲完成した縁台と神田PJチームメンバー

8月~9月にかけて、TRANS ARTS TOKYO 2014(以下、TAT)というアートイベントの中の一つの試みである神田TAT縁台ワークショップに参加しました。

東京大学、東京藝術大学、日本大学のそれぞれの大学生チームが、神田の街をリサーチし、そこから導き出された神田にあるべき縁台をデザイン、そして実際に組み立てました。この時に作られた縁台は今もTATで使われ続け、また今後も神田の街で使われ続ければと思っています。

まず、8月28日に各大学で集まり、神田の街歩きを行いました。縁台を置くということを前提に神田の街を見てみると、普段とは違った見え方がありました。また、各大学の参加者はそれぞれバックグラウンドが異なり、町を見る視点もさまざまで勉強になりました。日本大学の方は街の現状がどうあるのか、どういうところに課題があるのか、最終的にどういうことをしたら面白くまちが活性化するのかというところを重要視していて、それを縁台とそこに関わるソフトな部分で解決しようという解決プログラムを提案していました。東京藝術大学の方はそれぞれが個性的で、感覚的なアプローチでした。自分が感じたものをそのままスケッチしたり、眼を瞑って街を歩いて感覚を研ぎ澄まして歩いてみたりと、神田とは何か、縁台とは何かという事象の本質を探ろうという姿勢が強く感じられました。

 

9月7日に各大学の中間発表を終えた後、神田PJでは予算や部材も含めて模型等で検討を重ね、最終的に多様な形で組み合わせられる大小二つのサイズの縁台を考案しました。これは、細い路地でも使えるように、一つ一つの単位は小さく細長い形でありながら、異なる二つのサイズを組み合わせることで多様な形状を作り出すことができます。また、縦横高さは細かく計算され、二つ組み合わせたものを立てて、飲みテーブルのように活用することも可能です。

 

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▲縁台の模型イメージ

9月20日では実際にTAT会場で部材の組み立てを行い、合計10個の縁台を作成しました。なかなか実際にモノを作るという作業をしたことがなかったので、面白い経験をすることができました。作成が終わり、TATのイベントが始まると、さっそく一般の方が私たちの縁台を活用しており、モノ作りの楽しさを味わうことができました。

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▲縁台を組み立てる様子

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▲一般の方がさっそく活用しています。

文責:今川