今年度から始まった20世紀都市遺産プロジェクト。具体的な都市の事例研究と、外部専門家へのインタビューによる20世紀都市遺産概念の構築を2本柱として活動しています。後者の公開インタビュー企画として、去る2014年6月18日、渡辺定夫先生をお迎えし「静岡・清水のマスタープラン立案過程とその後」と題した第1回20世紀都市遺産セミナーを開催しました。
当日は清水PJがお世話になっている静岡市の方をはじめ、30名超の方にお越しいただき、普段なかなか語られることのない丹下研当時のお話を沢山伺うことができました。
(会場からの質問に答える渡辺先生)
渡辺先生は丹下健三研究室(当時)の助手として「静清地域総合開発計画」の立案に関わられましたが、当時の立案チームのメンバーは大学院生が中心となっていたとのこと。私たちも今の時間をもっと都市と向き合うことに使い、描き、語っていかなければならないと強く感じました。また、手回し計算機をまわしながら町丁目データをメッシュデータに按分計算したエピソードなど、今となっては想像できない苦労を語られていました。現代の私たちはツールに恵まれていますが、そこまでの熱意をもって提案のための分析・解析を行っているかというと…身の引き締まる思いです。
(打ち上げでも引き続き語っていただきました)
町に実際に立って「これはいい」と感じるのことのできる、そんな町を壊してはいけない、という思い。プランニングには使命感が一番大事だ、という言葉を打ち上げではうかがうことができました。
プランニングの前提となる社会状況や時代背景はドラスティックに変化していきますが、普遍的なプランナーとしての姿勢を教えていただけたような気がします。渡辺先生、ありがとうございました!
(D1児玉)