Sorry,Japanese only
戦後、都市計画の課題は、量の確保から質の向上へと変化してきました。それとともに、景観に対する市民の考え方や世論も変化し、やがて景観は社会的に認知されるようになりました。美しい景観は街の誇りであるとさえ考えられるようになりました。
丸の内の景観は、日本を代表する風格ある景観として市民に親しまれてきました。昭和初期の美観地区の指定、1966年東京海上ビル建て替え計画が巻き起こした「美観論争」など、社会的関心事としても取り上げられました。
しかし一方で、東京という日本の首都としての景観はどうあるべきか、明確なビジョンが示されぬままに都心は更新され続けました。DNタワーや東京国際フォーラムの出現、そして、この秋には丸の内の顔とも言える丸ビルの解体。さらに今後は、国鉄清算事業団による旧国鉄本社ビル売却、大手町サンケイビルの再開発計画など、都心の更新はまだまだ続き、丸の内の景観は大きく変わる可能性があります。
「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり懇談会」はこの地区に新築されるビルディングの高さ・そのスカイラインについて、統一性に配慮しつつ150m程度を許容し、拠点地区には200m程度も可能にする、との方針を提示しました。果たして、都心の景観はこれからどうなってゆくのでしょうか。今こそ我々は、都心の景観についてじっくりと考え、議論するべきではないでしょうか。
なお、東京大学都市デザイン研究室は現在、研究の一環として、千代田区から「東京美観地区ガイドプラン」作成のための検討調査を受託しています。皆様からこのホームページに寄せられた御意見も、ガイドプラン作成に反映させていきたいと考えています。
大手町・丸の内・有楽町の現在と未来
→ 京都・鴨川歩道橋計画案を考える(都市環境デザイン会議関西ブロックのホームページ)