7月7日七夕の日、みなかみ町最北部に位置する利根川の水源、谷川岳は山開きを迎えました。
山開き当日は早朝4時から神事が行われ、それに合わせて上野駅-土合駅間の深夜特別列車が運行されたり、ロープウェーの早朝運行が行われるなど、多くの登山客が訪れ、谷川岳が盛り上がる1日となります。
今回は、早朝の登山客に向けた炊き出しのボランティアとして、私水野と昨年デザ研を卒業した鈴木くんとで参加してきました!
集合時間は真夜中1時…!コンビニコーヒーで気合を入れ、いざ準備にかかります!
会場である、谷川岳の麓に位置する谷川岳インフォメーションセンターに到着すると、そこには既に50人ほどのボランティアの方々が…!
3時10分に最寄り駅である土合駅に到着する夜行列車からくる登山客をお迎えするため、テント設営や炊き出しの準備を行います。
真夜中にもかかわらず快活に準備を進められる町の方々から力をもらいながら、準備を進めました。
3時頃になると、松明が灯され、炊き出しの豚汁も温まり、いよいよ登山客を迎え入れる雰囲気が高まってきました。
そこからは怒涛の炊き出しラッシュ。夜行列車から300人弱、その他臨時バスやマイカーの登山客も含め、500人以上の方々に豚汁を配り続けます。
ほぼ徹夜状態での炊き出し作業でしたが、登山客からの感謝の言葉に励まされ、無事5時半頃の神事終了までやり遂げました。
その後いただいた、早朝の澄んだ空気の中で食べる豚汁は、体に、心に沁みました…!
最後の片づけ、さすがに眠気が襲ってくる我々をよそに、町の方々はてきぱきと作業を進められ、町の方々のエネルギーを感じました。
ボランティアを終え、少しばかりの仮眠を取った後、デザ研修士1年の東條くんも合流して、谷川岳登山に臨みました。
これまで1年程度、みなかみPJの一員として活動してきて、幾度となく「谷川岳の大自然を味わう」「谷川岳への視線を大事にする」など、谷川岳に焦点を当てたコンセプトや空間提案をしてきましたが、実際に谷川岳への登山経験はありませんでした。
今回、谷川岳への登頂を通じて、大自然を肌で体感しました。
地形が比較的穏やかな新潟側とは異なり、冬の日本海からの季節風によって豪雪地帯となる群馬県側では、雪崩によって削られた急峻な岩場が連続し、かなり体力を消耗する登山となりました。
それでも、山頂が近くなると、森林限界を抜け、低木と高山植物が広がる景色となり、目を楽しませてくれるとともに、周囲の山々や遠く富士山まで見渡せる壮大な景色には圧倒されました。
登山開始から2時間半をかけて、無事に2つのピーク、トマの耳(1963m)とオキの耳(1977m)に到着したときは感動しました。
戦前の有名な登山家、大島亮吉は、谷川岳を「近くてよい山なり」と記しました。
今回の登山を通じて、谷川岳は、まさに「近くてー東京から2時間でアルプス級の自然環境に触れられる、ロープウェーで比較的気軽に登山を楽しめるー、よいー植樹のされていない豊かな広葉樹林、色とりどりの高山植物、厳しい気候が生み出した豊かな地形、利根川の水源地として湛える豊かな水ー山」だと感じました。
やはり谷川岳は、その視対象としてのシンボル性、雄大な自然を体感する場所、厳しくも豊かな自然をつくり出す基盤として、まちづくりにおいて重要な存在だと、改めて感じた機会になりました。