こんにちは、M2の植田です。
小高PJでは、福島県南相馬市小高区で、9/12に行われた「10年目の小高」という会に学生メンバーが登壇しました。この会は、小高の住民自身の目線で東日本大震災からの10年間を振り返る企画です。小高PJでは、2014年度から小高に関わりはじめ、2016年度からは「小高復興デザインセンター」を立ち上げ、地域の様々な活動を支援してきました。PJを通してのこれまでの取り組みを改めて整理し地域の方々にお伝えし、そして地元のまちづくりに関われれている方々と小高の将来について議論してきました。
午前の部では、小高復興デザインセンターの現役学生メンバーと、2016年度から2018年度までデザインセンターに常駐されていた李美沙さんから、小高復興デザインセンターのこれまでの活動について報告しました。
福島第一原発から20km圏内にあたる小高では、原発事故後に避難指示が発出され、住民が自由に立ち入ることができず、一時は「ゼロ」になった地域です。2012年4月から避難指示解除準備区域に指定され、2014年からは小高PJチームが復興に向けた計画・ビジョンの策定などを支援してきました。また、初期の活動では集落部・まちなかで小高の文化や歴史を地元の方々と再確認していく取り組みを数多く進めてきました。2016年7月に避難指示が解除され、同時期に小高復興デザインセンターを立ち上げた後は、小高の中での自治組織の単位である「行政区」ごとに、地域課題と向き合う活動を進めてきました。そして、近年は住民の方々が立ち上げている活動の支援を進めています。こうした流れを、3段階のフェーズ「I.小高らしさと向き合う」「II.地位一課題と向き合う」「III.自発的活動と伴走する」と整理しました。李美沙さんからは、センターに常駐されていた2016年度-2018年度の期間に取り組んだことや、その中で考えたこと、そして現在従事している業務内容について報告をしていただきました。
また、実践活動と同時に進めている研究活動についても紹介しました。これまで蓄積されてきた研究の紹介や、目下進めているインタビュー調査・空間の変容調査に関する中間報告を行いました。
その後、小高でカフェ事業・人材育成事業・関係交流人口推進事業を行う一般社団法人OMSBの代表である森山貴士さん、コワーキングスペース運営・起業型地域おこし協力隊の管理運営を行う株式会社小高ワーカーズベース代表の和田智行さんからも、事業を展開する中で考えてきたこと、小高の将来に向けて考えていることを発表していただきました。
午後の部では、会場内の聴衆も交えてのディスカッションが行われました。小高という地域でどのように自立した地域社会を目指すのか?外部からの支援者と地域内の人々はどのように協働すべきか?などといったテーマについて白熱した議論が交わされました。
小高という地域は、歴史的に見ても「変わること」で存続してきた地域でした。一人一人が「やりたいこと」を実現することで、小高という地域が少しずつ変わり、今に至っているのだということを改めて感じました。当日のアーカイブもYouTubeで配信されておりますので、よろしければご覧ください。
【午前の部】https://youtu.be/d8u2ttOc9VY
【午後の部】https://youtu.be/2tJZ8lC9RNA
「10年目の小高」は全5回で、来年3月まで開催されます。今後も「医療とメンタル(11月)」や「環境課題(来年1月)」などのテーマで、小高に関わってきた魅力的な方々が登壇され、YouTube「小高チャンネル」で各回のライブ配信を行う予定です。ぜひご覧ください。