本郷のキオクを語り聞く会2020 本郷館編

こんにちは、修士1年の河崎です。

本郷の様々な歴史的建築や店舗が失われていく中、本郷のキオクの未来PJ(本郷PJ)では本郷の”キオク”をずっと守ってこられた方々にお話を伺い、本郷らしさとは何なのか考える会「本郷のキオクを語り聞く会」を例年開催しています。

今年度は11/4に「本郷のキオクを語り聞く会2020 本郷館編」をオンライン開催し、2011年になくなってしまった巨大木造下宿・本郷館をテーマに、学生街の歴史を象徴していた本郷館にかつてお住まいだった方に当時の生活や本郷のまちの様子を伺いました。

03 Hongohkan  307 のコピー 19.03.05.jpg▲いまはなき巨大木造下宿・本郷館 

ゲストとして東さん、韓さん、佐藤さん、コーディネーターとして谷口さんをお呼びし当時の生活感あふれる魅力的な写真や逸話を聞かせていただきました。

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ニーズに合わせながら増築・改築を繰り返す、まるで生命体のような本郷館の建築的な面白さはもちろんですが、私は特にそこに住んでいるさまざまな人々が作り出す集落的なコミュニティに強く魅かれました。

私は大学進学の際にほとんど知り合いもいない状態で福岡から上京し、現在も通っている大学以外のコミュニティをほとんど築くことなく単身者向けの賃貸マンションで暮らしています。「都会はコミュニティが希薄だ」とよく言われますが、上京してきた身としてはまさにそれを実感していて隣に住んでいる人のことすら知りません。

これはある意味で人間関係のしがらみがないとも言えるのですが、自分が病気になったときや、今回のCOVID-19によって外出自粛が要請された時に、一人暮らしの辛さを実感したり、家族のようなコミュニティを切望したりするようになったのも事実です。

そんな中お話を伺って、東京下町のようなあたたかいコミュニティがありながらも、下町よりもより流動的、そしてそこに暮らす人が若く多様な本郷館のくらしは魅力的に感じ、また一方でそういうような場がどんどん失われている(とくに学生街・本郷において)という事実を目の当たりにしました。

流動的で、若く、いろいろな人が交流する学生街だからこそ、そういうくらしのできる場が生み出せるのではないでしょうか。もちろん時代は移り変わっていて形態としては異なるかもしれませんが、そういったかつて本郷が有していた場やくらしを今後継承していくことについて考えさせられた貴重な機会でした。

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今回配信会場として本郷の老舗旅館・鳳明館森川別館を使わさせていただきました。

このCOVID-19を受けて宿泊に限らないさまざまな利用の取り組みをされているみたいなので、宿泊はもちろん、すばらしい旅館建築での会議や作業など、ぜひ利用してみてください!

旅館鳳明館HP:https://www.homeikan.com/