こんばんは。M1の佐鳥です。今回は富山プロジェクトで行ったバンクーバー現地視察の様子をご紹介したいと思います。
富山PJでは、昨年に引き続き海外視察を行いました。今回はカナダ西岸の都市、バンクーバーに行ってきました。バンクーバーは富山と同じく、OECDのコンパクトシティに関する報告書で取り上げられているというところで視察を行うこととなりました。
4泊6日の滞在期間中はひたすらバンクーバーのまちを歩き倒しました。季節は冬で、緯度的にも札幌よりもだいぶ北に位置しますが、暖流のおかげで雪も少なく比較的暖かい気候のなかまちあるきができ、バンクーバーのまちの魅力を十分に味わうことができました。
今回は印象的なシーンをいくつか紹介します。
バンクーバーの街の特徴として、基壇型の建物があげられます。高層棟と低層~中層程度の建物が共存しており、まちなみの連続性を確保しながら、建物の容積を確保するということを両立しています。日本の都市の場合、容積率ボーナスのため、高層棟の周りは公開空地となるのですが、もともとの道路率もたかいということでこういったことが可能なのかなあなどと考えておりました。
とはいえ、そのような高層の景観だけでなく、この写真のようなヒューマンスケールの空間も共存しています。この写真は先ほどの高層ビル群から徒歩で20分ぐらいに位置する住宅街で撮影されたものですが、中心市街地にありながらも既存の住環境が保全されています。
バンクーバーのまちでは日本のまちよりもダイナミックに容積率の移転が可能であり、そのおかげで容積率を未消化でもそれを他地区に売ることで金銭的にも大きな障害なく建物やまちなみの保全を行うことができています。
また、中心市街地のみならず郊外へも足を運びました。郊外でもコンパクトシティ政策と関連して、鉄道路線沿線へのTOD開発が進んでいるのですが、そこにある住宅はどこか都市工学が目指しているような密度を体現している感覚を覚えました。戸建てが延々と続くのではなく、中低層の集合住宅が建つその姿から3年演習のことを少し思い出しました。
富山PJでは書籍化に向けて着々と執筆を進めています。3月末が脱稿となる予定ですので、そこに向けてもうひと踏ん張りしたいと思います。
それでは、今回はこの辺で。ありがとうございました。