「ぷらっと!ちゃっと!三国まちづくりカフェ」開催!

はじめまして。修士1年の宗野です。

みなさんは北陸三大祭りを知っていますか?

北陸三大祭りとは、富山県高岡市の御車山祭(みくるまやままつり)、石川県七尾市の青柏祭(せいはくさい)、そして福井県坂井市の三国祭(みくにまつり)のことです。

さて、5月19・20・21日に私たち三国プロジェクトのフィールドである三国のまちで、一大イベントである三国祭が開催されました。

それに合わせてプロジェクトでは「ぷらっと!ちゃっと!三国まちづくりカフェ」という企画名で、これまでの活動を振り返るパネル展示を行いました。

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今回は、この三国祭りと企画展示についてレポートします。はじめて三国を訪れた興奮で記事が長くなりましたが、最後までお付き合いください。

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三国祭とは、三國神社の神事であり、地区ごとに人形を乗せた山車(やま)を曳いて朝から夜までまちを練り歩く姿が有名です。人形山車の高さは約6m。人形は歴代の武将などをモチーフに趣向を凝らした完成度の高いものばかりですが、なんと、地元の方々によって手作りされています。

今回、東京大学・東京都市大学の三国プロジェクトM1新メンバーが、実際に山車を曳かせてもらいました。

朝8時過ぎに山車格納庫に集合し、山車を曳くメンバー全員でお酒を飲み、記念撮影をしてから出発します。1日山車を曳きながらまちを歩いて感じたことをいくつかご紹介します。

三国には、市街地が広がるたびに道が少しずつずれてできたクランクが非常に多く、この入り組んだ道をいかに進んでいくかが、山車巡行の見どころです。先導役の「オモー!」「トリー!」の指示に合わせて、舵取りをしている男衆たちが力いっぱいに方向転換をし、器用に進んでいきます。

山車が入り組んだ道を進むには、道沿いの屋台の協力も欠かせません。屋台の屋根は一点のみが固定された可動式となっており、山車が通ると一斉に店主が屋根を傾かせ、山車に道を譲ります。

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山車を曳いていると、なにやら高いところからの視線を感じます。巡行ルート沿いの住宅2階に人が集まり、山車の巡行を眺めているのです。親戚で集まってお酒を飲みながら、特等席から山車を眺められるなんて、うらやましい限りです。

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山車は巡行ルートをゆっくりと練り歩きながら、昼に三國神社前、夕方には三国駅前に勢揃いした後、それぞれの地区の山車格納庫に帰っていきます。

クランクが多く道が狭いというまちのつくりが山車の巡行を盛り上げ、祭りに向けて地元の方々の手で山車人形をつくり、祭りに合わせて親戚が集まる。祭りは三国のまちの核であると言っても過言ではないなと思いました。

 

続いて、プロジェクトで企画した展示についてご紹介します。会場は昨年オープンしたアーバンデザインセンター坂井、アテンドスタッフとして三国高校の学生に協力してもらいました。

「ぷらっと」気軽に会場に寄って学生スタッフと「ちゃっと(おしゃべり)」していってほしい、という思いから「ぷらっと!ちゃっと!三国まちづくりカフェ」という企画名としました。

展示の内容は、三国プロジェクトのこれまでの活動内容を一斉に展示するアーカイブ展。2014年〜2018年の活動を振り返って整理し、7つのテーマに分けてパネルを展示しました。

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三国プロジェクトでは、基礎調査をもとにまちの将来ビジョンとそれを達成するためのアクションプランを示し、空き家・空き地活用を中心に様々な実践を進めると同時に、建築学会に論文を投稿するなど学術的な調査研究を行ってきました。

4年間の活動は濃密で、まちを少しずつ着実にいい方向に変えているように思いました。しかし、一度行ったきり、忘れ去られている活動がいくつかあることが分かり、これらを前回の反省を生かしつつ継続していくことが必要であると感じました。

また、私にとっては初めての訪問でしたが、三国プロジェクトのメンバーとして温かく迎えていただきました。継続的な活動をすることによって、プロジェクトが受け入れられ、地域の方々の信頼を得ているのだということを実感しました。

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展示期間中は、地元の方やお祭りを機に三国のまちを訪れた観光客の方など数多くの方々にお越しいただきました。

人により興味をもってもらう点は異なりましたが、特に、アーバンデザインセンター坂井の改修前の姿に驚く方が多かったです。

また、「東京の大学に通っていて、出身もバラバラなのになぜ三国で活動しているの?」と疑問に思われる方が多くいらっしゃいました。私は、魅力的な町並みのある三国で活動することに疑問をもったことはなかったので少し驚きましたが、外から来る人の目で見た三国の魅力は、地元の方々の目には当たり前に映っているということなのかもしれません。

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会場の中央には大きな三国の地図を置き、来場者のおすすめスポットや思い出の場所に旗をさしてもらいました。昔三国に住んでいたという方から、昔のまちの様子や、三国祭開催時の屋台の様子など、様々なお話を伺いました。

今回の現地訪問で、三国のまちがとても好きになりました。これからのプロジェクトでの活動に期待が膨らみ、わくわくしています。これから、メンバー1人1人の興味を踏まえて年間の活動計画を練り、エンジン全開で活動していきます。これからも三国プロジェクトの活動にご注目ください。

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