三国高校「町家プロジェクト」イベント実施!

 こんにちは!M1前山です。
 先日12/27に三国高校1年生による「町家プロジェクト」イベントが実施されました。

 このイベントは三国高校の1年生が三国のまちにある空き家や空き店舗を使って自分たちで企画したイベントを実施するというものです。三国プロジェクトでは約半年に渡って、企画立案から実施までのお手伝いをしていました。

天気.JPG△雪予報も出ていましたが、当日は晴れ間にも恵まれました

 三国高校の総合学習として空き家を使ったイベント実施が提案されていたことを、今年3月に設立されたアーバンデザインセンター坂井に紹介してもらい、三国プロジェクトとしても協力することになったのが今回の関わりのきっかけです。
6月から空き家についてのレクチャーの実施や企画書の添削などを行い、9月はクラスごとに企画の決定(文化祭でのコンペの様子は以前レポートしました)、以降はいよいよ実施に向けてそれぞれ協力してくれそうな地元の方を紹介など、準備のお手伝いをしていました。


 この取り組みは今年が初めてであり、総合学習という限られた時間の中で企画から空き家の清掃、準備まで行うことには若干の不安もありましたが、当日は予想していたよりもずっと質の高い企画が完成していました!

 以下に少しだけ、各クラスの様子をレポートしていきます。


 「タイムスリップ店」として昔遊びをする場所を企画した1組では、提灯を借りたり照明を工夫したりすることで温かみのあるにぎやかな空間を作り上げました。大人も子供も楽しく遊んでいました。

1組①.JPG △1組内部の様子。大人も子どもも楽しそうです

1組②.jpg △1組外観。お祭りをイメージして鳥居が作られました

 「プラネタリウムカフェ」の2組では、プラネタリウムの投影にやや苦戦しましたが、元々バーだった建物の暗さや雰囲気をよく活かしていました。

2組①.jpg △2組外観。おしゃれな看板が目を引きます

2組②.JPG △2組内観。奥ではプラネタリウムが投影されています

 三国のフランス料理店S'amuserとコラボしてPRを兼ねて料理を食べてもらう3組の「ゼロからのChallenge ~1-3'muser~」では、空き家をその日だけのお店につくり変え、盆栽屋さんや雑貨屋さんとも協力し手の込んだ装飾をしていました。

3組①.jpg △3組外観。狭い店内を十分使えるよう受付は外にあります

 

 4組の「水族館カフェ」では、魚の展示の難しさを、描いた絵を投影できるRICHOのシステムを利用してカバーし、華やかで楽しい空間としました。洋菓子店セリールともコラボし、高校生発案の魚にちなんだスイーツを販売しました。

4組①.jpg △4組内部。プロジェクターを使って水の中のような空間をつくりました

4組②.jpg △今回のために作っていただいたスイーツ。海の生き物のモチーフがかわいらしいです


 今回の企画の目標の一つは、三国高校生がまちで自分たちのやりたいことを実現すること、自分たちにそれができると知ってもらうことでした。
 世の中のほとんどの高校生は恐らく、まちに出てそこのプレイヤーとして主体的に動く、ということを経験しないまま卒業していきます。そんな中で、”高校のある地元”という自分を受け入れてくれるフィールドがあるうちに、企画の立て方や伝え方次第で自分たちの「やりたい」に応えてくれる人や場所があることを知ってほしいと思いました。
 そのため、今回準備をしていくうちに、「もっとこんなふうにしたい」と高校生による企画のイメージが具体的になっていったり、自ら協力してくれそうな地域の方々に連絡を取って相談したりといった動きがあったことはとても嬉しいことでした。

 もう一つの目標は、この高校生の動きを受けて、まちでの空き家の使い方や地域の人々の姿勢が変化することです。
 まちで増加する空き家や低利用家屋について、権利を移動し活用することへのハードルは高くても、今回のように一時的に中の一部を借り、清掃し利用するという使い方であれば活用につなげる可能性は高くなるのではないでしょうか。
 まちがこれからどのような反応をするのかは、これから調査し検証していく必要があります。

 教育においてもまちづくりにおいても、今回の企画がただの「イベント」で終わってしまうのはもったいないことです。
 三国高校では来年度以降の総合学習について考える委員会が設けられ、今年度の1学年での取り組みをどう発展させていくかということが議論されており、三国プロジェクトとしても、まちのことを知っている立場として引き続き協力をしていきます。

 この企画は三国のまちのたくさんの方々の協力によって成り立ちました。本当に感謝しています。
まちのために何かをすることが当たり前のようなこのまちの特別さを感じながら、そうさせる三国のまちにはなにがあるのか、これからの活動で考えていきたいと思いました。