こんにちは。修士二年の神谷です。
三国プロジェクトでは、去る7/30から8/11にかけて、空き家流通手法模索へ向けた、旧三国町内の建物歴史調査を行いました。
(みくに龍翔館:三国湊の文化遺産を一堂に集めた博物館)
昨年度の夏季調査では旧三国町内全域を対象に、旧町内全域の空き家実態を明らかにするための調査を行いました。その結果から、建物が上手く次の住み手に引き継ぐことが出来なかったことが、空き家の発生に大きく関わってきているのではないか、という可能性が浮かび上がってきました。
空き家がどんどん増えている現在ですが、しかしながら、まだ多くの建物が残っているということは、近年までは建物が上手く引き継がれてきたということでもあります。
今年度夏は、旧三国町内の中で今までどのように建物が引き継がれてきたかを明らかにすべく、現在人が住んでいる建物の歴史ヒアリング調査を行いました。
▲昨年度まで崩れそうな空き家があったが撤去された。今は近隣店舗の駐車場になった
▲空き店舗を所有している知り合いに交渉して、繭の糸取り工房を設けた人もいる
今回の訪問では、調査にご協力いただける世帯を一軒一軒巡り、合計50軒弱の方々からお話を伺いました。
やはり、古くから栄えた土地だけあって、建物やそれにまつわるご家族の歴史は大変興味深いものでした。一軒当たり30分から約1時間に及ぶという、大変充実したヒアリング調査となりました。
調査の合間には、三国についてより深く知るべく、みくに龍翔館を訪れて資料を見学したり、古い町並みが残る市街地を抜け、郊外の新興住宅地の方へ探索に出かけました。
ヒアリングの中でも、古い話などは博物館に展示されているものと繋がりが深く、また建物の歴史の中には郊外への転出に関わる話もあったため、大変参考になりました。
今回は、対象とする旧三国町内を構成する4つの部のうち3つの部を調査したのですが、来月9月には残り1つの部を対象に、同様のヒアリング調査を行う予定です。
大変情報量が多い今年度の夏季調査ですが、最終的に地域の人たちの役に立つことができるよう、丁寧に結果をまとめていきたいと思います。