三国湊サイン調査報告会で発表しました!

こんにちは。修士1年の宗野です。

今回のweb magazineのテーマは、11/11に開催された三国湊サイン調査報告会です。

今年の春から続けてきた調査提案について、行政や地元企業の方に向けてプレゼンしました。調査から分析、提案までのプロセスを簡単にではありますがご紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

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三国プロジェクトでは今年の春から、三国湊地区のまちなかサインの調査を進めてきました。

8月に行ったサインの現況調査については過去のweb magazineをご覧ください↓

「三国PJ夏季集中調査!」http://ud.t.u-tokyo.ac.jp/ja/blog/2019/09/pj_5.php

8月の調査結果を分析する中で、現状設置されているサインの大きな課題として、マスタープランなしに様々な主体がサインを設置していることが挙げられました。サインの数は充足しているものの、サインどうしの連携が図られていないため、その効果が十分に発揮されていないのです。

そこで、サイン計画の前にまず、上位ビジョンである地区内の回遊戦略を打ち出すことにしました。

 はじめに、地区内の重要な資源を整理しました。三国神社や瀧谷寺など歴史ある寺社や、かぐら建ての町家を改修して整備された観光案内所などが挙げられます。また、観光資源以外に、地域の人たちにとってのランドマークである広小路や通りも資源として挙げました。

 

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現在設置されているサインを最大限活かすため、現状、軸となっているルートを基本としつつ、これらの資源を巡ることができるような回遊ルートを設定しました。

次に、8月のフィールドワークの中で、印象に残った風景や場所について話し合い、その内容を大きく4つに分類しました。4つとは、九頭竜川や水路の眺め、エリア内に点在する小さな寺社、三国祭を意識させるエレメント、文学や芸術にゆかりのある地です。さらに、4つそれぞれについて地区の歴史的な背景を調査しました。

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そこから、コアとなるルートに付け足すルートを4つ設定しました。「九頭竜川と水路の景観を楽しむルート」「三国湊繁栄の証・寺社を巡るルート」「山車巡行路と山車蔵をたどるルート」「三国にゆかりのある文学・芸術に触れるルート」から個々人の興味に合わせて1つを選択し、まちあるきを楽しむということを提案しました。複数のルートを用意することは、三国湊地区訪問のリピーターを生むことにもつながると考えています。

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 最後に、それらルートの回遊性を向上させるための新設サインの計画をしました。

報告会では東京都市大学・東京大学三国プロジェクトチームと、具体的なサインのデザインを担当する福井工業大学デザイン学科チームからプレゼンをしました。

 私たちはエリア全体を俯瞰して回遊ルートを策定し、そのルートを回遊させるためのサインを計画していたのですが、福井工大チームの発表に、はっとさせられました。

 まちあるきをする人が「どきどき」「わくわく」するようなサイン計画が必要である、決められたルート上をただ誘導するのではなく、ルートに余白をもうけながら、自ずと先が気になるようなサインの計画が必要だというプレゼンでした。

自分たちの提案内容には、「実際にまちを歩く人が何を感じるか」という視点が抜けていたことを大きく反省するとともに、他分野の学生と協働する意義を強く実感しました。

 報告会には坂井市、路線バス会社、地方銀行などの関係者が出席し、計画への積極的な協力を申し出ていただくなど、サイン計画の可能性が大きく広がったと感じる、有意義な会となりました。

 今回計画したサインは今年度中の施工が予定されています。計画したものが物体として実現するという、学生の立場としては稀有な機会に、心の中でわくわくとどきどきがせめぎあっています。