台北総統府広場国際設計競技

Taipei City Capital Plaza International Design Competition

都市デザイン研究室案 入選                   English version


<設計主旨>

□多様な活動が行われる小さな広場の集合体
従来、国の中心となる広場とは、主に国の政治的な行事のために作られ、一人の支配者の下に多くの民衆が集まる、大きな権威的な空間であった。
しかし、民主化、国際化した新しい台湾を支え、担っていくのは多様な主体による自由な、小さな活動である。総統府広場とは、それらの活動を可能にする空間であり、象徴であるべきである。
我々は、広場に小さな空間をいくつも配置し、そこでの新しい活動を呼び起こすことを計画した。そのため、ゾーンで区切った広場に、活動のためのブースや透明の境界によって小さな空間をつくり、直射日光を遮るルーバーの屋根で一部を覆った。それらの活動は、周辺の街を取り込み、一体となって多様な顔を見せる。また、旧市街地の都市構造を読み取り、街路との連続性を確保し、そこに存在する空間的なモチーフを用いた。
地元の人だけでなく、観光で訪れた世界中の人々が集い、様々な活動を自由に行い、それらを通じて交流する、アジアと世界を代表する広場とニなる。

<計画案>


<競技結果>

選考の結果、一般応募案の中から8案が選ばれ、指名建築家によって提出された7作品と合わせて、優勝作品が選ばれた。結果は以下のようであった。

『Capital Plaza』 International Design Competition Winning Announcement:
Winners:
□Itsuko Hasegawa( Title:Taiwan void )
□Takeshi Hagiwara (Title:MIX & OPEN )
□Andres Perea ( Title:HUMAN LANDSCAPE )
High Distinction :
□ Prof. M. von Gerkan Nationality
□PETER WILSON & JULIA BOLLES-WILSON
□C. Y. Lee Nationality Republic of Taiwan  
Distinction:
□ Takeru Kitazawa (北澤猛)
□ Fumihiko Maki (槙文彦)
□ Adriaan Geuze West 8
□ Dr Kenneth Yeang King Mun (楊經文)
□ Wei-Min Lee(李??)
□Ti-Nan Chi(季鐵男)
□ Van-Liang Huang (黄文亮 境群國際規劃設計顧問公司 )
□ Non-Chi Wang (王弄極 )


台北総統府広場国際設計競技について

<設計競技主旨>

台北は台湾の中でも重要な都市であり、アジアだけでなく世界中でますます重要な役割を果たしている。しかしながら、100年以上にわたって、台北市と台湾の行政機関の中心である総統府前の領域を含む、広場の利用に関して包括的な計画と設計がなされないできた。

19世紀における台北市の設立以来、台北市都心部の中心であり、台湾の政治的なである。そして、近年の台湾の政治的・社会的水準における民主化と近代化とともに、総統府前広場の全般的計画と利用とが、重要な問題となりつつある。諸外国の有名な広場のような、適切な空間利用に対する計画は、新しい総統のもとで新しい世紀を迎えるにあたり、重要かつ緊急な課題である。

この国際設計競技では、このような背景のもとで、広場に対する設計の提案を生み出すとともに、近い将来なされるであろう再開発計画において実現可能性のある提案を呼び起こすことを目的とする。

<課題・選考方式・スケジュール>

提案を求めらる内容は、総統府前広場の周辺も含めた地区(計画地区)の計画のコンセプト、マスタープラン、総統府前広場や228公園、行政機関周辺を含んだ地区(設計地区)の計画案などである。最終的な提案は、A0ボードとA3の説明書によって提出された。

選考は、まず一般公募によって5組の案が選ばれ(第1段階)、続いて指名建築家10名の案も加えた中から3組の案が選ばれる(第2段階)ものであった。

提出期限は2001年6月29日であり、選考は7月18日に第1段階、7月19日に第2段階が行われ、結果は7月20日に発表された。

台北市都市計画局の設計競技のページ

<都市デザイン研究室における取り組み>

都市デザイン研究室では、4月の第1回研究室会議後のミーティング以来、北沢猛(都市デザイナー)をはじめとしたプロジェクトチームを組み、ミーティングを重ねた。時期的に、他のプロジェクトなどとも重なり、なかなか十分な時間が割けない状態ではあったが、3ヶ月間にわたり、研究室の皆で資料収集や計画案の作成、図面の作成などを協力して行い、少しずつ案をまとめていった。また、中国語への訳などは他研究室の留学生の協力も得られ、研究室の枠を超えて取り組まれた。


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